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健康経営で本当に実績が上がる?
誰のための健康経営?
「健康経営」は経済産業省が唱え出した文言です。(厚生労働省ではないんです!)
経産省は、経済をあげていきたい。厚生労働省は、国民の健康を守りたい。
「健康経営」は経産省の旗印。
つまり、こういうことでしょうか?
・健康のために、経営を調整してね!
ではなく!
・経営のために、健康を調整してね!
経済回すために、「おら!働けー!」では成果は上がらなくなっており、
「健康大丈夫か?ベストコンディションで行ってもらわないと経営がうまくいかなくなってしまう!(本心)
体調整えて、いい成果出そうぜ!」
ちょっと極端ですが、こういうことです。
これって経営者のための指針ですよね?
従業員のためとか、倫理的に、とか、そういう話ではないんです。
本当に成果に結びつくのか?
株式会社エイテックの調査で、
2019年健康経営銘柄選定企業であるDeNAで健康経営を始めた平井孝幸氏監修のもと、全社員アンケート調査(2018年12月)を実施した結果、身体の痛みや睡眠不調、気分の浮き沈みといった社員の不健康状態が生産性を低下させることによる経済損失が会社全体で年間2.4億円(社員一人当たり約200万円)に上ると試算しました。
約200万円/人・年 損失。
という数字は具体的で、一企業としたら見過ごせない金額だと思われます。
また、世界では、
従業員の34%が、日々の健康状態への配慮がない職場環境のせいで1日あたり1時間以上の生産性を失っていることが、北米の1601人の従業員を対象に行われたアンケート調査により明らかになった。
by Future Workplace Wellness Study 2019
このような調査もでました。
調査のあり方は様々でしょうが、上記から
従業員は、1日1時間程度、もしくは年間200万円程度の価値を、不健康により失っている。
またこれは、職場環境の改善によって取り戻すことができそう。
と言えそうです。
風邪でも来い!? or 風邪なら休め!?
あなたはどちら派ですか?
「どうしても休めない時には、この栄養ドリンク!」とか?
「24時間働けますか?」まではさすがにないと思いますが、現状でもそういったことが残っている。またそれを必要としている現状はあると思います。
「休むのは仲間に悪い。」とか
「自分でないとこなせない!」とか
これが風邪であればいいでしょう。
たぶん2ー3日で治ってしまうでしょうし、仲間にも多少感染させてしまっても、まあ、ごめん、許してね。くらいで済ませてもらえる??でしょうかね??
では、メンタル面の風邪を引いてしまった場合、
平たく言えば鬱状態に、社員がなってしまった時、
「2ー3日したら治るでしょ。」
とは行きませんよね。
下手したら年単位で体調を崩す。
健康日本21フォーラムが発表した「疾患・症状が仕事の生産性などに与える影響に関する調査」によれば、メンタル面で不調があると業務遂行能力は、健康な状態と比べ、約半分に低下、肉体の不調があると約7割に低下してしまう。とのことです。
経営的な面だけにフォーカスすれば、経営効率のかなり悪い状態が終わりが見えない状態で続くことになってしまう。大事な戦力の離職につながるかもしれません。
経営者側としたら大損害になってしまうんではないでしょうか?
問題は個人の範囲では終わりません。
個人の崩れから来る、集団の人間関係のこじれ、職場の雰囲気の悪化。
仕事の助け合いが押し付け合いとなり、関係ない社員も嫌になってきて、、。
仲間意識があってこそのプロジェクトをこなしていく時に、個人としては体調が悪くなくても、繋がりの中で不健康経営になってしまうこともあるでしょう。
メンタル面の風邪はなかなか治りにくい。
→治るまでの間、経営効率悪化は避け慣れない。そして、これは致命傷となりうる。
→であれば、そうならないように予防しよう。
→というか、平常運転の効率も上がったらそのほうがいいね!
というのが今の流れです。
健康経営は、まずは大損害を防ぐための防御策。
攻めの前にまず大前提となるところだと思います。
また健康への投資効果は以下から、3倍とも言われています。
米国ジョンソン・エンド・ジョンソングループが世界250社・約11万4000万人に健康教育プログラムを提供して、投資に対するリターンを換算して明らかにしました。
投資の対象:
人件費(健康・医療スタッフ、事務スタッフ)
設備費(診療施設、フィットネスルームなど)リターン:
生産性の向上(欠勤率の低下など)
医療コストの削減
モチベーションの向上
リクルート効果(就職人気ランキングの順位上昇)
イメージアップ金額に換算すると、投資1ドルに対して3ドルの投資リターンが得られた。
2011年『ニューズウィーク』
これなら健康(=経営効率のUP)を目指せる(投資効果3倍)
じゃあ、投資した方が得じゃないか!
すぐにやりたい!
え?でも何をやれば?
健康経営が成功していると言われる企業の共通点を探って行ってみましょう。
「成功」とは、なんとなくみんな仲がいい、とか健康になったっぽい。とかいうことではなく、欠勤数や退職者数の減少といった具体的な経営の数字として現れるものです。
花王、グーグル、ゴールドマンサックス
健康経営に取り組んで成果を上げている企業名はたくさんありますが、いずれの共通点も、「企業がTOPダウンで全力で取り組んでいる」という点です。
例として花王は、
2008年に「花王グループ健康宣言」を発行しました。現在は、「ヘルスリテラシーの高い社員を増やす」ことを目標に、PDCAサイクルで本人の健康度を上げていく「健康経営」に取り組んでいます。
健康経営の本質は、従業員全体の健康意識の向上であると思われます。
いくら、ノルマ的に代謝時間を早めても、家に持ち帰ったり喫茶店で仕事をしてたら意味がありません。
健康経営のため、会社の利益を上げるために、戦略的に健康に取り組んでいる!
この点を浸透させていく必要があります。
是非TOPの口から、
「これから戦略的に社員に休みを取らせるし、社内交流をさせる。
これは口先だけでなく、会社の利益のためでもある。
なので、社命として休んでほしい。社員同士交流してほしい。必要な投資はします!」
こう宣言していただきたいです。
さて、具体的に何をしましょう?
休憩室の冷蔵庫に野菜の宅配サービスを契約した経営者もいる。
まずは第一歩!素晴らしい取り組みだと思います。
会社で家族を呼んで味噌を作ったりとか、川遊びしたりとか。
これはお金をかけなくてもできる健康経営の一歩かと思っています。なにより、会社として取り組む意思を表明することができるでしょう。
社員が一緒にお弁当を食べられるテーブルをつくるのも一つの方法ですね。
人間関係のコミュニケーションの円滑化が社内の成績にも影響を及ぼします。以下リンクもご参照ください。
会社のために社員のために
上記の通り、自身や会社の利益を上げるために、健康経営は有効である。
これは遠回りに見えても、投資の効果の3倍有効であることがわかってきている。
いま雇用が難しいと嘆く前に、会社の取り組みを変えて、それを外に発信してみてはどうでしょうか?
会社の効率も上がって、雇用もしやすくなったら良いです。
また、これがきっかけとなって日本中の企業が健康経営や食育に興味をもってくれることを望みます。