第40回世界健康フォーラム2019・東京
「人生100歳時代の生き方上手」〜日本から世界への発信〜
日本をはじめ世界各国が少子高齢社会に突入しつつある現在。食生活の急激な変化などから、生活習慣病の増加が社会問題になっています。生活習慣病の予防、そして健康を保つためには『食』が最も大切です。厚生労働省が目指す『健康寿命が延伸する社会』の実現に向け、世界健康フォーラムが東京で開催されました。
健康と食をテーマに研究発表と先生方からのメッセージを拝聴してきました。
Contents
🍀ご存知でしたか?日本の国家健康施作が決まるフォーラムです
国家予算の約半分は医療費!!
医療費や介護の問題。日本人なら避けては通れない。というか、あなたの払っている税金の半分は医療費に使われているわけです。
もちろん国としてもこれは問題として認識しています。
なんとなくで決まる施作はなく(当たり前ですが)、とても頭の良い官僚の方々が、喧々諤々知識を集めて議論して、どうしたらいいか考えているんです。もちろん政治家も!
その優秀な官僚たちの知識はどこをベースにしているか?
そうこれですよ!
今後の施作(=国のお金をどう使うか?)は最新の研究に基づいて決められていき、その最新の情報の一部をこのWHOフォーラムで紹介しています。
今日はその一部をお伝えできればと思います。
🍀井村裕夫京大名誉教授の「みんなで始める先制医療」
先制医療とは、個の予防(遺伝子、バイオマーカーなどによる)
①ヘルシープロダクティブエイジング(健康で、社会に貢献できる年の重ね方)
②ライフコースアプローチ(生まれる前、お腹の中から)
③エンパワーメント(社会のあらゆる分野の協力が必要)
2017年の平均寿命は、男性81、09 女性87、26になりました。が、介護が必要な年数が9年から12年と、本人も、家族の負担も増えています。
2025年には4人に1人が75歳以上となり、健康を維持することが何より重要です。例えば2型糖尿病の場合、
①遺伝(3割)→②早期環境(おなかの中にいる時の栄養)→③後期の環境(生まれてからの生活環境、栄養)と考えられています。なので、
受胎期→胎生期→乳児期→学齢期→思春期→成人期→老齢期、それぞれの時期で、個人の特徴を考えていくことが重要です。
お母さんに知ってほしいこと
②早期環境、おなかの赤ちゃんは、お母さんの食べた物だけで成長します。
つまり妊娠中の栄養バランスが崩れ、ダイエットなどでカロリーが足りないと、赤ちゃんは外界は飢餓だと判断し、より吸収しようとするスイッチが入って生まれます。そのまま育つと、糖尿病になるリスクがとても高くなります。
なので、妊娠を計画しているお母さん、もちろん妊娠中のお母さん。
しっかりバランスの良いお食事をしましょう。
生まれてくる大切なこどもの一生の教育費として、心して食事を楽しんでください。生まれてから、塾に通わせるより、いい体、落ち着いて考えられる脳を作ることが一生を左右すると言っても過言ではないのです。
バランスの良い食事とはどんなもの? 楽しんで食べるって?
いっしょに学びましょう。
③エンパワーメント
そして、お父さん、おじいちゃん、おばあちゃん。
幸せな長寿社会は、ライフコース(生まれてから死ぬまで)全体にわたる家族、社会の意識と協力があって実現できます。次世代が、命、生まれてきたことを楽しめる環境を作っていきましょう。
🍀家森幸男先生の和食の素晴らしさ。
痴呆症も減らせる“食べ方上手“
100歳健康長寿実現の為に
①食塩制限(1日6g、WHO)
②充分なタンパク質摂取
③食物繊維摂取
④カリウム、カルシウム、マグネシウム摂取
②から④は、和食の特徴です。
特に大豆と魚の両方摂取する和食は素晴らしいのですが、食塩摂取が12gにもなってしまいます。出汁をしっかりとる、舌にあたる部分に塩味をつける、など、美味しく食べて減塩できる方法があります。
がんや高血圧と食塩の関係もわかっています。脳卒中も減るとの研究結果もあります。健康寿命をのばす鍵ともいわれています。和食で魚と大豆を毎食、そして減塩。こどもの未来はお食事をつくるあなたにかかっています。
何を、誰と、どんなふうに食べるか。それは確実に未来のあなたと家族の在り方につながります。
🍀三浦雄一郎さんや有森裕子さん。皆さん100歳でやりたいことが明確で、日々の積み重ねをされています。
巷ではいろんな情報が飛び交って、何が正しいのか、選択できない方が多くいる、と聞きます。人任せにせず、少しずつ情報をとり、判断できる知識と、実践により、確実な知恵としていきましょう。100歳時代、自立して暮らせる事。その生き方が、社会に貢献できる事。何よりわくわく楽しく生きていく事。
あなたは、どんな人生を歩きますか?
情報に振り回されることのない、納得のいくワクワク人生はいかがですか?
食育に関わって32年。ますますこのお仕事の必要性、重要性を感じました。