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食べないと、ほんとうに死ぬ?

あなたの体は何でできているでしょう?
骨?肉?
お母さんにもらったものもあるかもしれませんが、基本的には人間は、自分で食べたものでできています。

昨日食べたハンバーグも、今日はもう、あなたです。

食べないと、死ぬ?

「食べないと死にます。」これを実験してしまった歴史的な事件があります。19世紀アイルランドで起きた大飢饉。じゃがいもの疫病。じゃがいもを主食にしていたアイルランドは、1845年から約5年間で、人口の少なくとも20%が餓死、及び病死しました。
栄養失調のため出産数も激減。国外に逃れた人も含め、アイルランドの人口が半分になりました。(当時人口約800万。21Cの今でも600万人位)
170年もたって、人口は戻っていません。

当たり前ですが、やっぱり「人は食べないと死ぬ」そして「適正に食べないと病気になる」ということです。

この考えは栄養の研究の基礎になっています。食べ物の中に命の元があるに違いないと分析し、成分を明らかにし、1つずつ名付けていきました。これが近代栄養学の歴史です。今までに40種類近くの栄養素を見つけています 。
人間は多種の栄養素に支えられて生きていますね。

パンダは笹だけでどうやって栄養をとっている?

人間は、コメも野菜も肉も食べますが、パンダは笹の葉しか食べない。
おかしいな?様々な栄養を取らないと生きていけないはずなのに。

パンダは「熊猫」とも書きますね。もとは熊で、肉食動物でした。環境の変化により食生活が草食に変化していったと考えられています。
消化器官は肉食動物のままなので、竹や笹を食べても、消化吸収率がとても悪く、摂取量の2割位しかないそう。(一般的な肉食動物は8割程度)非常に吸収効率が悪く、1日のうち14時間位食事に費やしています。(でないと十分な栄養を確保できず命を保てない)

竹にも少量のアミノ酸は含まれます。また腸内細菌の動きから必要な栄養素を作り出す装置を体に備えるようになりました。
とにかく量を食べる作戦で、薄くても必要な分の栄養素も補う。
また、できるだけ省エネで激しい動きをせず、エネルギーをセーブするのが生存戦略となった。と考えられます。

パンダより不便!?人間の生存戦略

二足歩行を手に入れ、水の中や木の上、遠くへ移動できるようになり、様々な食べ物を手にすることができるようになった人類。
また生きていくために、雑食を選んだ人類ですが、「これだけ食べていれば生きていける」と言う完全栄養食にはついぞ巡り会えていません。(今のところは、、、。)
私たちは竹だけを食べ続けるパンダにはなれないのです。

雑食をベースとし、特定の食品だけで、健康を維持することはできない不便な体。豊富な運動量や脳活動を支えるエネルギーを確保するために、多種の栄養素を必要とします。

パンダは、単種摂取、低活動。
に対して人間は、多種摂取、高活動。と言えます。
異なる種がそれぞれの生存戦略を選ぶ中で必要な食生活(=栄養)も分かれた。それぞれの種の特性に沿った栄養の取り方が必要になった。というわけです。

さて、こんな生存戦略のおかげで、人間の求める栄養は複雑になりました。
適正な雑食をするには、正しい食べ物の選択の知恵が必要になったのです。
過去は伝統や習慣として作りあげられてきた食生活・食文化ですが、今科学によって再定義された集大成が「栄養学」です。
これは人類共通、生きていくための必須知識であり、勉強への投資の価値がある学問だと思います。

食の放棄=◯◯の放棄

動物性食品過多、植物性食品の不足。
ビタミン、ミネラル、食物繊維の不足、脂肪過多。
などと言われていますが、一方で、ついついスーパーで手にとってしまう様々な食品たち。体への負担が、なんてことその時は忘れてしまいますよね。
必要な栄養素を摂ることって難しいことなんでしょうか。

しばらく前のコマーシャルに「出たな!余分三兄弟」と言うフレーズがありました。脂肪分、糖分、塩分。これを余分3兄弟と呼び、取りすぎを警告したものです。
忙しい。時間がない。めんどくさいから適当にお腹にたまるものを食べる。
このようなニーズを満たすための食事は、往々にして栄養を確保できていないことが多いようです。

これらは、食の放棄(栄養の放棄)とも言えます。
栄養のバランスが崩れていくでしょう。体も、心も精神にも、不調が現れるでしょう。

食べているもののバランスは体調のバランスとイコールです。
(なぜなら、昨日食べたものは今日のあなたなのだから)

生きてない。死んでないだけ。

「多種な栄養から効率よく栄養を取り込んで、高水準の活動をする。」
このような戦略を選んだ人間が、食(栄養)を放棄する。というのは、明日の活動を放棄すること。
大きな見方をすれば、人生を放棄する。も同じことです。
毎日半分の力しか発揮せずに生きることはきっと楽しくないでしょう。

少し大袈裟な言い方かもしれませんが、「食はあなた自身」です。それくらい大事なことと再認識してほしいと思っています。

こんなことからでもOK

毎日忙しい。仕事が大変。休みも取れない。
そんな中、いつも落ち着いて食事を摂れるというわけではないでしょう。
そんな時は、食べているものの裏側の食品表示を見てみることから始めませんか?ちょっとでも添加物っぽい表示の少ないものを選んでみてください。
お昼の牛丼に、今日はサラダを一品つけてみるのもいいかもしれません。

ベイビーステップ

完全な食事はありません。
忙しい中ですぐに大きく変えることは難しいですが、ちょっとだけ今日は気を使って生活してみると、明日の活力につながると思います。
(もちろん、休息や睡眠、気になるところから実践してもらえたら嬉しいです。)

以下記事もご参照ください

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